音楽だより♪317  11月号
エスプレシボ  

新しい旅へ
竹内幸一 
 さわやかな秋晴れの日が続いています。金木犀が香り、コスモスのゆれる季節です。柔らかな秋の日差しに包まれていると、心も穏やかになる気がします。

 そんな時、ふと自分の歩いてきた道を振り返ったりすることがあります。実は、今日10月25日は、(明日が誕生日ですので)丁度60歳最後の日という事になります。そんなこともあり、少しこれまでのことを振り返ってみたくなりました。私事で申し訳ありませんが、どうぞお付き合い下さい。

 私は、昨年の10月に還暦を迎えたのですが、その近辺には、実にいろんなことがありました。句集の出版、このエスプレシボ300号到達の記念号発行、さわやかコンサート200回到達、春の音楽祭25周年記念到達、魅惑のギターステージ30周年の記念大会開催、そして30年共に暮らした娘が、佐賀へ嫁ぎ家を離れました。

 そのどれにも、これまで生きてきた私の人生が集約されています。勤めている方には、60歳の定年で人生の、そして仕事の一区切りがあります。60歳とは、どの人にも大きな節目になる年なのでしょう。

 私に与えられた60歳のいろんな到達点の喜びは、勤め人がもらう退職金かもしれません。それは、このひ弱な体で生きてきた私には、十分すぎる贈り物でした。極端なことを言うようですが、これだけのことをなし終えたら、もう何も思い残すことはないとさえ思うほどです。しかし、残念ながら、その反作用もあります。

 30数年前、ほんの数人の生徒さんから始めたギターが、全国的にも珍しいといわれる、千人規模のコンサートを、(地味なクラシックギターで)成し遂げました。何という高い峰への到達だったでしょうか。

 しかし、このところ私の気分は、低迷しているのです。いろんな成果が凄ければ凄いほど、今その落差の中で浮遊するばかりなのです。どれもが、過ぎてしまえば「それがどうした」になります。

 普通の会社などで定年を迎えた方は、大きく人生が変わります。家庭菜園だとか、蕎麦打ちだとか、それぞれ新しい事に取り組んで、新鮮な毎日を送っているようです。 しかし、私の日々は何も変わりません。毎月、毎月この新聞を出し続けています。魅惑のギターステージも、もうすぐ31回目が開かれます。それは、32回目、33回目と続いていくことになります。

 贅沢な事は分かっていますが、その連続への、倦怠感、無力感を隠せないでいるのです。成果の山が高ければ高いほど、それ以上の夢や希望をどこにおけばいいのか、掴めないのです。

 燃え尽き症候群の中で、今いろんなところで聞く「うつ病」に自分もなっている気さえしています。やる気が出ず、何もかも面倒くさくて、時間があればうつらうつら惰眠をむさぼっています。

 そんな日々の中で、かろうじて私の背骨が倒れずにいるのは、日本の歌100曲演奏の、年四回コンサートだろうと思います。

 実はこの企画は、娘がいなくなる「空の巣症候群」への心配からでした。かなり前に、娘が大学へ行った時、寂しい思いをしたせいでもあります。

 ところが、娘は、結婚式が終わっても、ピアノの入る家が見つからないとか、いろんなことで、だらだらと半年ほども家にいました。そろそろあっちに行かんと彼に悪いよと小言を言うようなほどでした。

 ということで、この方の心配は全然なかったのですが、燃え尽き症候群には、日本の歌コンサートが重要な役割を果たしてくれています。とにかく3カ月おきにコンサートがあるので、息を抜く暇がないのです。目に見えるほどではないのですが、毎日毎日弾いていると、少しずつ滑らかに音がつながるようになるのが分かるので、サボるわけに行かないのです。

 どんな無力感や倦怠感の中でも、「毎日一度は全曲弾いとかないと」と、いわば強迫観念のようなものが、崩れそうな私を、引きずってくれているのです。こういう状況の気分の中で、これは大変貴重なことだと改めて思っています。

 さて、60歳もあと数時間で終わります。明日10月26日の誕生日を迎えれば、61歳の新しいスタートになります。そんな今思う事は、これまで私の人生でふれあった多くの方々のことです。

 病気ばかりしていた私を、女手一つで育ててくれた84歳の母のこと、病院からやっと解放されて何も分からないまま青春の放浪をしていた時、わが子のように面倒を見てくれたI夫妻のこと、いつも変わらず優しいまなざしで俳句の大きな世界へ導いてくださったK先生のこと、四半世紀を越えるようなお付き合いの人も多くなった合奏団の仲間やギターの生徒さんのこと、何か行事をすれば、いつも受付など軸になって応援してくれている妻や家族のこと・・・・

 そんなたくさんの方々の、これまでの支えを決して裏切るわけには行かないと思うのです。84歳の母を悲しませるような事は決して出来ません。立派に生きている姿を見せ続けなければなりません。

 新聞のお悔やみ欄を見ていると、時折、私に残されている年数はあとどれくらいだろうなと思います。どちらにしても、これまでの60年に比べれば、微々たるものでしょう。そのわずかな残り時間へ、私は明日から新しい出発をします。どこまで行けるか分かりませんが、私に与えられた天職のようなこの道を歩き続けます。これまで同様、どうぞ皆様、人生の共有の時間をご一緒に歩いてください。お願いします。

  <行事予定>
■第6回ルベックひまわりなごやかコンサート
  11月3日(祭日)午後2時〜無料
  あすなろ館 ゲスト・ルベックムーン
■オペラ鑑賞講座  「仮面舞踏会」その2
11月4日(水)午後1時40分〜 500円
■第92回 E・F・C例会 
11月8日(日)夜7時〜サンシティー音楽院
■第54回 ハーモニアス歌声サークル「野ばら」  11月18(水)午前10時半〜光の園
■第11回 音楽入門初歩の初歩講座
 11月18日(水)午後1時50分〜音楽院 500円
■ハーモニアス別府 第38回ふれあい音楽講座   
   11月19日(木)午後2時〜 1,000円  
   オペラ「フィガロの結婚」 鑑賞その1
■ほのぼの歌声サークル 
  11月11・25日・水曜日午後2時
■第222回 さわやかコンサート
11月27日(金)鶴見病院 6時40分〜
■第31回魅惑のギターステージ 
 11月29日(日)午後2時開演 ビーコンプラザ
  前売り券発売中です。(800円)
皆様の応援をお願いします。
■竹内ファミリー クリスマス・ランチコンサート
  12月20日(日)12時〜 1,500円(30名様限  定) リストランテ La torre di Z  (中央公民館前)
■第8回キラキラコンサート 12月25日(金)2時
 ご出演の方は11月27日までに曲決めをお願いします。
●ルベックスペシャルのお知らせ
11月の練習日 7・14・28日の3回
サンシティー音楽院レッスンお休みのお知らせ 
■     5週目のお休み 11月29(日)〜30日(月)
■       祭日お休み 11月3日(火)文化の日
    11月23日(月)勤労感謝の日

連載 その6
立ち止まり、足るを知る
        ギター科 竹内竜次

 澄み渡る秋晴れの空に鰯雲、どこからともなくキンモクセイの香りが漂う、、、、。この季節独特の空気は、例え良いニュースが無くとも、私たちに幸福感を与えてくれます。
 しばらくの間、そんな気持ちの良い天気が続いていたのですが、今日は久しぶりの雨です。
 布団干しマニアの僕にとっては、うっとうしい存在でしかない雨も、農業などをされている方にとっては恵みの雨なんですね。自然を相手に仕事をされる方は本当に大変だと思います。
 今回は、以前テレビ番組で見た、厳しい自然と共に慎み深く生きる酪農家の話が印象に残っているのでご紹介したいと思います。
 その酪農家は、北海道の広大な荒れ地を長い年月をかけ、ひとりで開墾し牧草地へと変えていきました。しかし、やっとすべての作業を終え、振り返ったとき、木々が一本もない、その殺伐とした風景に違和感を覚え愕然とします。牛舎と木立の間を行き交い、のんびりと草を食む牛たちと暮らすことを夢見た彼にとって、そこに広がる景色は、理想とはかけ離れたものだったのです。
 しかし、木を植えてしまえば、牛に必要な牧草地の面積は減ってしまいます。何より、自分がやってきた開墾作業を否定することになります。そして、当時、酪農の世界で成功するには、牛の数を出来る限り増やし効率よく搾乳し、生産量を上げるしかないとされていました。それでも、その酪農家は植樹を始め、牛の数を減らすことを決断します。以前から、牛の数が多すぎることで、大好きな牛に好きなだけ牧草を食べさせてあげられないこと、すべての牛に充分に目をかける時間がないこと、に満足していなかったからでした。
 時代の潮流と逆行し、縮小ともとれるこの取り組みは、不思議なことに、少しずつ良い方向へ動き出します。まず、牛たちに充分に草を与えることで、1頭から搾乳できる量が増え、牛乳の品質が上がります。その上、1頭1頭をしっかり観察する時間が出来るようになったことで、牛たちの健康管理が行き届き、病気が減り、診察料や薬代などのコストの削減につながってきました。
そして何より、理想の空間で暮らす牛たちの表情が生き生きとし始めたのでした。この試みは徐々に、全国の酪農家からも注目を浴びるようになっていきます。
 この酪農家の言葉は、どれも経験に基づいた哲学があり、なるほど、と納得する言葉ばかりでしたが、「立ち止まり、足るを知る」と言う言葉は特に心に残りました。
 立ち止まる事で、見える風景がすべて変わってくる、と彼は言います。新しい物を次々に生み出し続け、前へ前へと進むだけではダメだ、と彼は説きます。立ち止まり、今ある物を大切にし、見つめ直し、育てていくことで、人間が生きる上での豊かさを充分に得る事が出来ることを、彼はその遠回りしつつも確かな生き様で教えてくれました。
 しかし、自分が長い時間をかけて力を注いできたものであればあるほど、立ち止まり省みる事は、相当な勇気と謙虚な気持ちがいることですね。この酪農家のように、振り返った時、そこに木々のない殺伐とした風景が広がっていようとも、臆すること無くその景色と対峙できる人間でいたいものです。
 それにしても、嬉しそうな牛の顔ってホントにあるんですね。初めて見ました。それはモー、それはモー幸せそうでした。 


ギターを担いだ第二の人生 
佐藤 至徳(ギター教室 ルベックムーン) 
 
 皆さんの随筆は、楽しみに読ませて貰っていますが、さて、自分の順番が来て何を書こうかと考えたのですが、よいことが頭に浮かびません。
 そこで、ギターを習い始めた頃にギター随筆を書いたことを思い出し、エスプレシボを出してみましたら順番はメチャクチャながら192号(平成11年6月発行)から、今月発行の316号まで全てが揃っているのに驚きました。
 私は平成10年10月からトキハの文化教室でギターを習い始めたので、7ヶ月分のエスプレシボが抜けているのですが192号には私のリレー随筆が半ページいっぱいに載っていたので感激して、それから残すようにしたのだと思います。
 それを読むと、特別な思いがあってギターを始めたのではなく、軽い気持ちでのボケ防止で始めたことのようです。しかし、もう、今年で11年目、よくも続いたものだと感激しています。
 考えてみるとギターのレッスンで練習する楽譜は私にとって8割がたは全く知らないか、聞いたことがある程度の曲で、ただ音符を追っかけて音を出しているだけでおもしろさは感じないのですが、プロのように目の前で楽譜を貰ってすぐその曲が演奏できるようになるには、この練習は大切と思いました。しかし、そんな高望みをしていない私には大変苦しいことです。
 レッスンは苦しいことが多いのですが、楽しいことも沢山あります。
 まず、楽しいことは、私のよく知っている素敵な曲をマガリナリにもギターで弾けるようになること、今まで以上にいろいろな方々とのおつき合いが出来るようになったこと、また、音楽で私と同じように苦しんでいる友達と苦しさを越えたつき合いが出来ること、演奏会等でドキドキしながらも、緊張する場面があり、ボケないためにも必要であると考えられること、また、リズム、テンポ音痴の私の指導に腹も立てず、気長に、やさしく、おだてたり、褒めたりして指導してくださる竹内先生に出会ったこと等です。
 こう書いてみると、苦しいことより、楽しいことの方が多いのかも、???。
 最近、特に困っていることは、もともと記憶力がないのに、そのうえ記憶力が劣り始めたこと、指が固くなり時には痛くなり速く動かないこと。年齢のせいとは思いますが残念です。
 当初の目的である、有名映画音楽や好きな古賀メロディーを暗譜して人前でソロで弾けることを目標にしてきましたが、まだまだ目的に達していません。あと5年はギターを弾けるのではないかと思っていますので、目的めざして頑張っていきます。

静かに長く
千村宣子(ギター教室・ルベックひまわり)

 遠い昔に初めてエスプレシボに書かせていただいたのは、我が愛するソフトバンクホークスがまだダイエーと呼ばれ万年Bクラスにいた頃でした。
 ミーハーおばさん丸出しで「フレーフレーダイエー!」と全くギターに関係ない話を載せていただきました。
 その後ダイエーは名前も変わり、頂点を極め、どん底に落ち、果たして今季の結末も・・・・・
 ホークスのふがいなさに私のホークス熱もいささか冷めてきたようです。
 クールダウンすることなく静かに長くおそらくこれからもずっと続くと思われるのはギター熱です。
 「指が踊ってますよ」「音が切れてます」「メロディーが聞こえません」
何年たっても同じことばかり注意されています。
 演奏会や発表会では極度の緊張と失敗に泣いています。
 でも心癒されるギターの優しい音色、難しい曲を弾けるようになる嬉しさ、ひまわりでの楽しい合奏に沢山の喜びを感じています。
 未だにハイポジションの押さえも覚束なく、コード表も手離せない万年初心者の私ですが
 一音一音を大事にし、いつの日かなめらかなトレモロで「愛のロマンス」が「アルハンブラの想い出」が弾けるのを夢見ています。
 見果てぬ夢と知りながらも私のギター熱は冷めることなく続いていくでしょう。
・・・・・・・・
 それにしてもホークスは去年最下位から3位浮上は上出来です。
 けが人も多かったし、秋山監督はまだ1年目だし、城島も帰ってくるかもしれないし・・・
 やっぱりホークス熱もまだまだ熱く燃えているようです。

音楽だより♪318 
エスプレシボ  

お湯が沸くまでの時間
竹内幸一 
 
 今日は11月22日。二十四節気の1つで「小雪」と呼ばれる日です。わずかながら、雪が降り始める時期だからでしょう。温暖化とは言え、山には白いものがちらほら見えるのは、長年の言い伝えに沿っています。寒いですが、季節が順調なのは、何だか嬉しいですね。

 今度の日曜日29日は、31回目の魅惑のギターステージ、30日もいろいろと行事があるので、何とか、今日この新聞のめどをつけなければと、パソコンに向かっています。

 まだ、どうまとめるか決まっていないのですが、書きながら考えて行きましょう。さて、どんな結末になるでしょうか。無責任な出だしですね(苦笑)

 突然ですが、最近、水がお湯になる時間のことを考えました。それは、水でも他の料理でもいいのですが、それが温まるのには絶妙な時間が存在していることに思いが至ったのです。(架空の想像ですが)例えば、お湯が5秒で沸くとしたら、ガス代とかが少なくて済むし、早くて便利ですね。しかし、さあ飲もうかと思うと、沸く時間に比例してすぐ冷めてしまいます。沸いたものを5秒で飲むのは忙しい事です。

 それと逆に、例えば、お湯が沸くのに1時間かかるとしたらどうでしょう。今度は、程よい温度になって飲めるようになるまで、相当待たねばなりません。30分待たないと、コーヒーが熱くて飲めないのでは、なかなか大変ですね。

 そんな風に架空の話を考えてみますと、今、現実に私達の暮らしの中で体験している、水がお湯になったり、冷めたりする時間が、実に絶妙な時間配分であることが分かります。

 この時間は、どうして決められたのでしょうか。そのものが持っている、ごくごく自然の偶然のことでしょうか。それとも、万物創造のときに、神様が人間の暮らしに便利なようにと、決めてくれたのでしょうか。

 そう思えば、一日の長さや、野菜の大きさや、土の固さなど・・・それこそ、普段当たり前に思っている万物の不思議が、すべて神様のご配慮ではないかとも思えてきます。 しかし、一番肝心の、私達人間の命の長さに、神様はどのような配慮をしているのだろうかと、時折考えこんでしまうことがあります。

 今でも思い出しますが、かなり前に、中国の四川省で大きな地震がありました。そのニュースを見ながら、私はふと思ったのです。たくさんの方が亡くなった様子を見ながら、この中には、これからの私より、もっともっと人間社会に必要な人が、たくさんいただろうな、と思ったのです。人類の発展に貢献するような学者、家庭にとってなくてはならない働く父親、大きな未来を持つ子ども達・・・そんな多くの人の命を、神様が奪っています。

 身のまわりにも、企画力や行動力など素晴らしい才能を持っている方が、亡くなっています。この人に、もう少し時間を与えてあげれば、きっとたくさんの立派な仕事をして、まわりの人を喜ばせてくれただろうと確信できます。しかし、そんな人の命を、神様は奪っています。
 なぜなんでしょう。それは、単なる、自然界の偶然なのでしょうか。それとも、浅はかな私の思いも及ばない配慮が、隠されているのでしょうか。

 新聞で読みましたが、ある方が「勲3等**賞」をもらいました。そのときは、謙虚に、これもまわりの皆様のお蔭ですとか、いろいろ素直に感謝のコメントをしました。ところが翌日、別の部門の発表があり、その男の知り合いが、「勲2等**賞」をもらっているのを知り、かんかんになって怒りました。何であんな男が、勲2等で、この俺が、勲3等なんだ。もう勲章なんか要らんと言い出したと言う、笑い話のような、新聞記事でした。

 と言う事をふまえて、もし万一、社会の役に立つ人、行いのいい人を長生きさせるという神様のご配慮があったらどうでしょうか?

 私は、あの人よりたくさんいいことをしてきたのに、何で私が先なんですかと、あの世で神様に文句を言う人も出るかもしれません。その順番や、亡くなる時期が不明なのは、浅はかな人間の愚鈍な思惑を消してくれることになるのかもしれません。

 そもそも、神様に本当の力があり、人間のことを思うのなら、貧困や病気などの不幸の種をなくして、すべての人を救えばいいと思うのです。

 しかし、蓮の花の咲く極楽に住み、いつも穏やかないい天気で、周りはみんないい人で、全く苦しいことも、困ったこともなく、ただひたすら幸福な日々が続くのを想像してみてください。

 ひょっとすると、地震があったり、殺人事件があったりする、メリハリのある恐怖の人間社会へ、また戻りたくなるかもしれません。あの世から戻った方が一人もいないので、なんとも言えない事ですが・・・

 あり得ないことですが、横並びですべての人がみんな幸せというのでは、人間が生きていく気力を失うので、いろんなスパイスを、神様が、その全知全能のご配慮で入れてくれているのかもしれないとも思います。有能な方が、先に亡くなったりするのは、その方が有能であればあるほど、残された私達に、掛け替えのないメッセージを残す大きな役割が与えられていることにもなるのでしょう。

 お湯を沸かすことから、何とかかんとか話をつないで、ここまで来ました。やっつけ仕事で済みません。1年間のご愛読有難うございました。また来たる新しい年も、皆様お元気で、どうぞこの新聞の大切な愛読者でいてください。お願いします。

  <行事予定>
■オペラ鑑賞講座  「愛の妙薬」その1
12月2日(水)午後1時40分〜 500円
■第93回 E・F・C例会 
12月13日(日)夜7時〜サンシティー音楽院
■第55回 ハーモニアス歌声サークル「野ばら」  12月16(水)午前10時半〜光の園
■第12回 音楽入門初歩の初歩講座
 12月16日(水)午後1時50分〜音楽院 500円
■ハーモニアス別府 第39回ふれあい音楽講座   
   12月24日(木)午後2時〜 1,000円  
   オペラ「フィガロの結婚」 鑑賞その2
■ほのぼの歌声サークル 
  12月9・23日・水曜日午後2時
■第223回 さわやかクリスマスコンサート
12月25日(金)鶴見病院 6時40分〜
■竹内ファミリー クリスマス・ランチコンサート
  12月20日(日)12時〜 1,500円(30名様限  定) リストランテ La torre di Z  (中央公民館前)
<出演>竹内宏子・竹内暁子・竹内竜次・竹内幸一
 ささやかな忘年会?皆様ランチをご一緒にいかがですか。涙のトッカータ、ジ・エンターティナー、七つの子・・・などの親しみやすい曲をご用意しております。会場の椅子、ランチの関係で、人数限定です。お申込みをお待ちしています。
■第8回キラキラコンサート 12月25日(金)午後2時  トキハ別府店・8階講座室 入場無料
●ルベックスペシャルのお知らせ
12月はお休みです。ゆっくり一年の疲れを取りましょう。
サンシティー音楽院レッスンお休みのお知らせ 
■     5週目のお休み 12月29(火)〜31日(木)
■祭日お休み 12月23日(水)
■お正月休み1月1日(金)〜7日(木)

連載 その7
私の好きな事・好きなもの
        フルート科 石井暁子

 今年も残すところ、あとひと月になりましたね。ありがたい(?)事に、年々、一年が過ぎて行くのが早くなっていく様な気がしています。
 今月は何を書こうかな、とずっと思いを巡らせていましたが、今年の6月から書かせて頂いている、このコラムの事にしようかな?と思います。
 丁度、一年程前だったかと思いますが、義父にここのコラムを書いてくれないかと頼まれ、一ヶ月に一度だとちょっと大変だろうけれど、主人と交替で書くのなら大丈夫だろうと思い、引き受けました。
 いざ6月から始まってみると、二ヶ月に一度の順番があっという間に回って来るのです。私は自分の性格というか、性分として「本当に思っている、本当に考えている事以外は書けないし、書きたくない。」という想いがあります。
 なので、どうしても書く時は真剣になってしまいます。<私の好きな事・好きなもの>という題で書く事にしたのだから、例えば動物の事や料理の事(いつかネタが切れたら出て来るかもしれません。笑)を書いたっていいはずなのに、実際に、書くぞ、と思って始めてみると、いつも音楽の事になっているのです。
 想いを伝えるという点では、音楽も文章も同じものであると私は思っていますが、受け取る側の立場によっては、随分印象が違って来るのではないかという事に気付きます。
 想いを伝えるという手段として、芸術というものを考える時、絵画や彫刻や音楽など、色々な表現方法がありますが、受け取り手によっては、音楽より絵画の方がピンとくる人があったり、逆に絵画よりも音に敏感であったりする場合があるだろうと思うのです。(私の事を強いて言うなら、音には敏感ですが、絵画はよくわかりません。笑)
 それに対して、言葉は芸術に比べると本当にダイレクトに物を伝える事ができます。音楽や絵画には今一つピンとこなくても、言葉がわからないという人はいないでしょう。それだけに、ダイレクトに物が伝わってしまう言葉(文章)を発する事に対する責任、という事を考える必要があると気付かされました。
 もう何年も前の事になりますが、ふらっと立ち寄った本屋の店先に「水は答えを知っている」という本がありました。著者は確か大学等で言葉の研究をしている方だったと思います。(あまり記憶が定かではないのですが…)簡単に内容を話してみます。
 こんな実験とその結果についての報告だったと思います。透明なガラスのコップに水を同じだけ入れ、一つには「愛」と書いた紙の上に置き、もう一つには「馬鹿」とか「死ね」という罵詈雑言を書いた紙の上に置き、しばらくたったらその水をマイナス40度の装置の中に入れ、氷の結晶を作り、それを顕微鏡で調べるという物でした。
 結果は「愛」と書いた方の結晶は、本当に美しい形の整った正六角形だったのに対し、「馬鹿」と書いた方は粉々に崩れた形の物しか出来なかった、という事でした。
 つまり、言葉には、その言葉の持つ意味内容がそのまま含まれる、という事ではないかと思います。
考えてみれば、これは当たり前の事だろうと思います。発する言葉が美しく愛に満ちたものであるならば、それを受け取る側はとてもいい気分になりますし(ラヴ・レターなんてその典型ですよね。笑)
 罵詈雑言であれば気分は最悪です。という事は自分の言葉や文章は、本当はよく考えて、言ったり書いたりしなければならないだろうと言う事です。
 これと同じ事は音楽にも当て嵌まると思います。私も、自分がフルートを吹く時、その音が美しく、愛や優しさに満ちた音である事を願っていますし、聞いて下さる方々に、その音が伝わるといいな、と思っています。
 また、話が音楽の方へいってしまいましたが…。このコラムを書く事で、私の気持ちが読んで下さる方々に伝わればいいな、と思っています。
 また、来年もどうぞよろしくお願いします。


幸運のレッスン券 
中浦秀子(ギター教室 ルベックひまわり) 
 
 20数年前、友人に誘われて、ルベック魅惑のギターステージを聴きに行きました。
 その時に、「アンケートに答えた方の中から抽選で○名様に無料ギターレッスン券が当たります」というアンケート用紙が配られました。
 それに応募してみると、運の良い事に、私は、そのレッスン券が当たったのです。それで、とりあえず1ヶ月習ってみよう・・・となったのです。
 それが、ギターを始めるきっかけでした。
習い始めて半年後、ルベックひまわりが結成され、その一員になりました。
 「ひまわり」に入った事で、合奏の楽しさ、素晴らしさを教えてもらい、たくさんの良い仲間にも恵まれました。
 また、ギターだけでなく、ハーモニアス別府、野ばら、ほのぼのコーラスでも竹内先生にお世話になっています。先生には何と言って良いかわからないほど感謝しています。
 今年もまた、魅惑のギターステージがあります。アンケートに答えて、新しくギターを始める仲間が一人でも多く増えますように!


”がんばらない”けど
 ”あきらめない”

清末昭子(ギター教室・ルベックひまわり)

 振り返ってみると、毎日が日曜日を手にした時、趣味に旅行に等々、五指に余るほどやりたい事が浮かびました。
 先ず趣味です。どうしてもやりたかったのは、ギターで、水墨画、書道 と次々に思いつきました。
バランス的には運動も始めよう。(ストレッチ、ミニバレー、ミニテニス等々)
 わくわくしながら、一週間をどう配分しようかと思い、とにかくスタートを切ったのです。
 しかし それは半年も経つと無理な事が分ってきました。宿題的なもの、練習、予習とだんだん追いつかなくなり、とうとうストレスを感じる様になりました。
 これでは無理だから整理をしようと思い、どれも最短一年間は、頑張ることにしたのです。結果 憧れのギターと運動の2本立てにしたら、気持ちもすっきりし楽しくてたまらなくなり、今も続いています。
 次に旅行です。先ず海外からアタックしようと思い、直ぐにパスポートを取得しましたが、行ったのは中国だけ...。
 これで終わりそうな気もしますが、まだあきらめてはいません。国内も行きたい所ばかりですが、旅行友達が体調を壊し、どうにもならない等、色々あるのです。何時かは復活したいと願っています。
 ところが最近自分も、明らかに何かがおかしいのです。それは能力、体力が下降線に入って来たのを、自覚し始めたことです。今までは頭が体を支配し 無理もして来ましたが、これからは体に相談してから考えることにしようと思っています。
 もうそんなに”がんばらない けど あきらめない”をモットーに ぼちぼち行こうか〜と思う今日このごろです。  

サンシティー音楽院 音楽だより♪319 
エスプレシボ 1月号
安心して間違えていい場所
          竹内幸一 

 皆様、新年明けましておめでとうございます。2010年の元旦です。今、9時45分。風は冷たそうですが、窓には、穏やかな日差しが溢れています。いい一年のスタートが出来そうですね。今年もどうぞよろしくお願い致します。

 新しい年を迎えて、皆様どのような希望や豊富をお持ちでしょうか?いろいろやりたいことがあるでしょうが、その中に、音楽院での楽器に対する思いも入れていただけていたら幸いです。

 さて今年の新年号には「安心して間違えていい場所」というタイトルを掲げました。これはどういう意味なのでしょうか?これから少しずつ解きほぐしてみたいと思いますので、お付き合い下さい。

 音楽院に来てくださっている方には、いろんな立場の方がおられます。責任ある職場にいる現役の方、また過去にバリバリと仕事をこなして、それをやり遂げた方、また学校でのテストに一喜一憂している学生の方、また家庭の円満に心を砕いている方・・・いろんなケースがありますが、それぞれ、多かれ少なかれ、ミスが許されないという重荷を背負っていることと思います。

 不用意な間違いで、会社が大損をしたり、成績の不振で行きたい学校に行けなかったり、安易な対応で家庭が壊れかけたりする事もあります。そんな訳で皆さんの暮らしの中では、ミスをしないように、不用意な間違いで経済や人間関係を壊さないようにと、心を砕いているのではないかと思います。

 それは、生きている限り、避けて通れない宿命のようなものでしょう。とはいえ、それを上回る成功や人々とのふれあいによるやさしさにも出会うこともありますので、何とか心のバランスが取れているのかもしれません。

 そんなことをふまえ、ここで楽器を学んでいる皆様の立場を考えてみてほしいのです。この音楽院という場所は、安心してミスしていい場所なのです。いくらでも間違っていいところなのです。

ここには、これまで、ミスは許されないと細心の注意を払ってこられた有能な元企業戦士の皆さんもたくさんおられます。しかし、音楽院では、どうぞ肩の力を抜いて、安心して間違えてもらいたいのです。

 間違えても会社に大損をさせるようなことも、昇進に響くことも、警察に捕まることも(笑)勿論ありません。

 間違っていることを見せる事は、医者にかかるのといっしょです。見栄を張って痛いところを黙っていたのでは治療のしようがありません。素っ裸になって、俺はこれだけしか弾けないんだ、さあ、どうにでもしてくれと威張っていればいいのです。

 時おり、思い違いをされている方がおられます。「ちゃんと演奏できなければ、先生の前に行けない」というのです。また、「こんなに間違えてばかりの私には、教える気もしないでしょう」とか、卑下される方もおられます。

 基本的には、間違えてくれなければ、講師は教えることができないのです。たくさん間違えてくれるほど、たくさん教えることが出来ます。この原則を、教えるほうも、教えられるほうも忘れないでほしいと思います。

 中には、「今週は練習できなかったのでお休みします」という、遠慮深い方もおられます。仕事が忙しかったり、気分がのらなかったりで、すぐに次のレッスン日がやってきて、慌てて前日に練習という方も多いことでしょう。また、全く楽器に触れることができないときも、勿論あることでしょう。

 それでも、そこでお休みするよりは、先生に見てもらいながら、ゼロからでも練習するほうが、一人で練習することの何倍も成果があがります。アドバイスを受けながら、集中力を持って楽器に向える、価値ある30分を簡単に捨てないで下さい。

 また、申し上げにくいのですが、ご自身の楽器の腕を過大評価されている方にも時おり出会います。「間違ってばかり」「何度しても出来ない」「才能がないんですね」「全然上手にならない」「私は駄目です」・・・というような暗い自己嫌悪の声を聞くのは、ご本人も辛いでしょうが、それを聞かされるほうも、実はやりきれないことです。

 自分はこんなものではない。もっとちゃんとできるはず・・・という事から、そういう発想が出てくるのだと思いますが、現実のあるがままが、自分の真の姿なんだと認めてもらえたら嬉しいです。難しいことだと思いますが、他の方との無用な比較などもやめて、自分は自分でしかない、間違えていいのだという裸の自分になってください。その位置から、1ミリでも2ミリでも前へ行けたらいいのだと、現実にあわせた肯定的な明るい日々を送ってもらえたら幸いです。

 人前での演奏も、間違いが恥ずかしいという方がほとんどです。それが自然な心情でしょう。しかし、これは妙なお願いですが、「先生はやはり違うな」という立場を保つためには、生徒さんには、かなり間違えてもらいたいのです。止まったり間違えたりするのが、生徒さんなのです。講師の威厳??のために、どうぞ気楽に安心して間違えてください。

 春には、恒例の「春の音楽祭」があります。皆さんが、講師の立場を尊重してくれるために、どれだけ協力してもらえるか(笑)、楽しみにしています。

 今年一年、またご一緒に音楽という芸術の山を少しずつ登っていきましょう。難しいことに取り組んでいるという事に誇りを持って・・・・。

  <行事予定>
■オペラ鑑賞講座  「愛の妙薬」その2
1月6日(水)午後1時40分〜 500円
■第94回 E・F・C例会 
1月10日(日)夜7時〜サンシティー音楽院
■第56回 ハーモニアス歌声サークル「野ばら」  1月20(水)午前10時半〜光の園
■第13回 音楽入門初歩の初歩講座
 1月20日(水)午後1時50分〜音楽院 500円
■ハーモニアス別府 第40回ふれあい音楽講座   
   1月21日(木)午後2時〜 1,000円  
   オペラ「こうもり」 鑑賞その1
■ほのぼの歌声サークル 
  1月13・27日・水曜日午後2時
■第224回 さわやかコンサート
1月22日(金)鶴見病院 6時40分〜 

★クラシックギターで聴く日本の歌 その4
  1年間の長期取り組みも、いよいよ最後の会を迎えることになりました。皆様のご支援をいただけたことを感謝いたします。寒い折ですが、今回もお時間が取れましたら、ご声援をお願い致します。
浜辺の歌・花・春の小川・ふるさと 他…全26曲 
・ギター演奏 竹内幸一   ・会場 竹の里
1月31日(日)午後2時〜1,500円(1ドリンク付)ご予約受付中!(30名様限定・ご予約はお早めに)

ハーモニアス別府 第16回ニューイヤーコンサート
 パリ留学より一時帰国記念特別演奏会
久保智史ピアノリサイタル
2月7日(日)2時〜 2,000円 国際会議室
 音楽院にて前売り券を発売中です。

●ルベックスペシャルのお知らせ
1月はお休み。1月24日(日)5時半〜新年会
サンシティー音楽院レッスンお休みのお知らせ 
■     5週目のお休み 1月29(金)〜31日(日)
■       1月11日は祭日ですがレッスンがあります。

連載 その8
アンサンブルの秘訣とは?
        ギター科 竹内竜次

 明けましておめでとうございます。今年も皆さんと音楽の喜びを分かちあえればと思っています。どうぞ宜しくお願いいたします。
 昨年の年末、毎年恒例の小田和正さんのライブを見ました。今年のゲストは、実力派として知られる大物から、若者に人気らしい初めて聴くアーティストまで多彩な顔ぶれ。なおかつ、自分の持ち歌を披露するのは勿論、参加したすべてのアーティストが、全曲、コーラスで参加するというユニークな企画でした。こうした即席オールスターの競演は、聞き手にとっては豪華で贅沢にうつります。ただ、歌い手に共通の熱意と相手に対する敬意がなければ、相手の声を消しあうだけの絶叫大会になりかねません。
 しかし、今回は、多忙なスケジュールをぬって練習を重ねただけあり、そして、その間に生まれた一体感も相まって、なかなか聴き応えがありました。歌を支える生き生きしたコーラスは勿論、参加している歌い手が、すべての歌に対して愛情を感じながら歌っているのが印象に残っています。世代や性別を越えて音楽を共に作り上げていく喜びに満ちていました。
 思えば、僕にとっても、昨年はアンサンブルの年でした。フォレストヒルギターカルテットの九州ツアーに始まり、お陰様で奥さん(フルート)と演奏させていただく機会も多かったですし、松下隆二さんや溝口伸一くんとのギター2重奏も楽しかったです。そして、クリスマスには、久々に父との親子競演もありました。
 その中でも印象に残っているのが昨年のルベックの定期演奏会です。色々な理由があり、2つの合奏団に助っ人として参加しました。無事、演奏は終わったものの「自分は入らなくても良かったかもなあ」という思いが残りました。
 参加したグループの一つは、僕が指導している子供たちのアンサンブルです。普段の練習を見ていると、それぞれのパートの難しい箇所になると、自然に他のメンバーがテンポを弛めるのがわかります。入るタイミングを間違ってしまっても、何食わぬ顔で他のメンバーが、タメを作ってフォローします。自然な思いやりで、アンサンブルが成立している訳です。そうした絶妙なバランスは、長い時間をかけてお互いを知ることで作られたものです。
 そこに、僕が正しいリズムと正しいテンポを持ち込んだところで、良いアンサンブルが出来るとは限らないんですね。きっと、もうひとつ参加させていただいた「ひまわり」の皆さんも同じだと思います。長い間苦労を分かち合ったメンバーだからこそ、生まれるアンサンブルがあっただろうと思うのです。
 アンサンブル経験豊富なギタリストの先輩がこんなことを言っておられました。
「アンサンブルは、結局、お互いの実力や音楽的な理解度よりも、むしろ、この人なら、演奏中にどんな事故があってもフォローしてあげようと思える信頼関係を築けるか、の方が大事な気がする」。今回、その意味がよくわかった気がします。
 きっと「ムーン」や「ひまわり」の皆さんの演奏が、年々、確かにレベルアップしているのも、皆さんの技術の向上は勿論ですが、年々信頼関係が深まっているからなのでしょうね。
 うちの奥さんとのアンサンブルも、最近、一皮むけてきた感があります。もっとも、うちの方は「思いやり」による信頼関係の時期を越え、お互い遠慮なく言いたい放題の後、内紛を経ての「雨降って地固まる」式の信頼の深まり?でありますが。トホホ、、。

ひまわりの存在・・・
吉澤 昭子 (ルベックひまわり)

 魅惑のギターコンサートも無事に終わり、
早いもので今年も終わりを迎えようとしてい
ます。
 ギターを始めて、こちらも早いもので7年
ぐらいたとうとしています。この3年は、個
人レッスンをお休みして、ひまわりのサーク
ル活動をしている状況です。
なぜならば、今2歳半の子育て真っ最中なのです。落ち着いたら、個人レッスンを再開しようと思っていましたが、子供が4月から保育園に通いだし次々と病気をもらい、なかなかギターを弾く余裕のない日々でした。言い訳ですが・・・
 ひまわりのサークル活動も遠慮しようかと
思ってましたが、先生やひまわりのみなさん
は、私の状況を知り指が間に合わなくて、楽
譜を飛ばしてもやさしく見守ってくれました。
 上達していくと「子育て中なのに頑張って
練習してるね」と異常に誉めてくれたり、時
には子育てのアドバイスや子供の風邪の心配
までして頂き、独身の友達と疎遠になりがち
な私にとっては、大切な存在となりました。
 そして、最初は練習不足でひまわりの練習
に行くことが申し訳ない気持ちでしたが・・・
合奏中はすべて(子育て・仕事のストレス)を
忘れることができ演奏に集中して、ギターの
音色に癒しを感じることができ、楽しくなり、
なにより息抜きの時間となっていきました。
 今年は、先生やひまわりのみなさんに迷惑
かけた一年だったので、来年は個人レッスン
を再開したいと先生に申し出たら、無理をせ
ずに公民館でのレッスンを進めて頂き、自分
にあったペースでギターと向き合っていきた
いです。


思いおこせば・・・
高橋幸子(ギター教室・ルベックひまわり)

11月29日、今年も魅惑のギターステージが無事に終わりました。思いおこせばこのギターステージの入場券を人づてに貰って聞きに行ったのが、私とギターの最初の出会いでした。ものすごいカルチャーショックを受けたのを今でも鮮明に思い出します。
 当時の私と同じような主婦のグループのひまわりの演奏が目にとまり、私でも出来るのではないか?習いたい!いや絶対に習おうと
心に決め、会場をあとにしました。
あれから 10年一昔と言いますが、ふた昔にあと何年かで手が届く程ギターとの長い付き合いになりました。
今教室では個人レッスンと二人の合奏を教わっています。合奏のレッスンの時の事ですが、体調が悪く1週間無練習で、レッスンにも気のりがしないまま合奏を始め、最初は間違ってばかりでしたが、指が慣れてリズミカルな曲を何度も弾いていくうちに、気持ちがだんだん高ぶってきて気合いが入り、レッスンを終えた後は精神的にも肉体的にも元気になったということがありました。
 また レッスン後の竹内先生のやさしい褒め言葉のフォローに帰途の足取りも軽やかに
なります。それとは 逆に付点ののばしが
足りないとか押さえの指が斜めになるなど、同じ事を注意されることが多々あり気落ちすることもしばしばです。
 それからギターを始めたのとほぼ同じくひまわりに入ったのですが、仲間との合奏や楽しい語らいなどが、今までギターを続けてこられた一因となっていると思いますし、これらのことがこれからも永遠に私の心に財産と
して残っていくことでしょう。

ハーモニアス別府への
ご支援をお願いします。

 ハーモニアス別府は、平成6年に結成された音楽団体です。この会は「音楽をとおして、地域における文化の向上と発展に寄与し、人々の心に豊かさをもたらすこと」を目的としています。サンシティー音楽院では、この会を全面的に応援しています。また現在、竹内幸一が事務局長を仰せつかっています。

 音楽院の皆様、よろしければこの会へのご入会をお願いします。年間会費が1,000円です。どうぞ別府の音楽文化の発展の縁の下を支える、貴重な会員になってください。よろしくお願いします。(竹内幸一)



エスプレシボ 2月号 bR20

牧場の朝
竹内幸一 
 一年間にわたって取り組んできました「日本の歌
101選」全曲演奏が、今日、ようやく終わりました。還暦記念の荒行で、指や肩にだいぶ負担が来ましたが、何とかやり終えることが出来て、ほっとしているところです。

 思えば昨年の1月がスタートでした。1月から4月まで月に1冊づつざっと目を通しました。5月にbP、8月にbQ、11月にbR、そして本日、1月31日にbSを発表することができました。

 新しい楽譜に向かい、難しい和音や弾きにくい編曲がかなりあると、これが間違わないで弾けるようになるのかな?と、途方にくれることもありました。しかし、最初は、本の半分も行かずに一日の練習が終わっていたのが、だんだん時間が短くなり、いつしか終わり頃になると、2時間足らずで全曲弾き終わるようになりました。目に見えないような進歩でしたが、やはり積み重ねていけば、少しずつ音が拾え、指が動くようになることを、体験することが出来ました。

 演奏会では、思い通りにならず、ミスもかなりありましたが、この1年間に、いろんなことを心や体で学ぶことができました。応援をいただいた皆様のお蔭です。4回連続来て頂いた方をはじめ、皆様のご支援に心よりお礼を申し上げます。有難うございました。

 このたび、後世に残したいという事で選ばれた101曲を演奏してみて、これらの歌は人生における心の財産だなとつくづく思いました。

 例えば今回のタイトルの「牧場の朝」について、私には、鮮明な想い出があります。私が、小学校5年生の頃でした。この日朝早く、親から2キロメートルほど離れた人のところへ、何かのことづけを頼まれたのです。私はようやく乗れるようになった自転車をこいで、「♪た〜だ〜一面に、たちこめた・・・・♪」と大きな声で、朝もやの中を歌いながら自転車を走らせました。その時の朝もやや、頬に当たる風のにおいが、歌と共に、くっきりと浮かんでくるのです。

 「牧場の朝」は、丁度そのころ学校で習っていたのだと思います。今回の演奏曲の中には、それぞれの方に、それぞれの想い出の曲があったことでしょう。  幼い頃のふるさとの山や川、父や母のこと、近所の遊び仲間のこと・・と、自分だけの大切な人生の歩みが、音楽を通していろいろ沸いてくるのです。音楽というもの、歌というものの素晴らしい成果を感じます。それらの歌にまつわる映像は、後で、どんなにお金を出しても買えない貴重なものだと思います。

 「仰げば尊し」「蛍の光」の2曲は、聴いていただいたすべての皆さんに、共通の感慨が広がっていた気がします。ご一緒に歌っていると、皆さんの脳裏に、薄暗い講堂での卒業式とか、入学式の映像が浮かび、心の奥底に歌が流れ込んだのではないでしょうか。そういう共通の歌を持っているというのは、幸せなことですね。潤いのある人生にしてくれる少年少女のための教育の大切さ、有難さがよく分かります。

 このような年4回の無謀な企画は、おそらく今回が最初で最後になると思います。普段は年に一回のコンサートを開いているのに、今回は、還暦記念という事で、少し無理をしました。前回までは、終わってもすぐ次の本を引っ張りでして、重荷を背負い続けていましたが、今日だけは、嬉しい解放感に浸っています。暑い中、寒い中、みなさまにご無理をお願いして済みませんでした。有難うございました。 

 <行事予定>
■オペラ鑑賞講座「オッフェンバックの夕べ」
2月3日(水)午後1時40分〜 500円
■第95回 E・F・C例会 
2月14日(日)夜7時〜サンシティー音楽院
■第57回 ハーモニアス歌声サークル「野ばら」  2月17(水)午前10時半〜光の園
■第14回 音楽入門初歩の初歩講座
 2月17日(水)午後1時50分〜音楽院 500円
■ハーモニアス別府 第41回ふれあい音楽講座   
   2月18日(木)午後2時〜 1,000円  
   オペラ「こうもり」 鑑賞その2
■ほのぼの歌声サークル 
  2月10・24日・水曜日午後2時
■第225回 さわやかコンサート
2月26日(金)鶴見病院 6時40分〜 
ハーモニアス別府 第16回ニューイヤーコンサート
 パリ留学より一時帰国記念特別演奏会
久保智史ピアノリサイタル
2月7日(日)2時〜 2,000円 国際会議室
 音楽院にて前売り券を発売中です。
■ビーコンプラザ開館15周年記念事業
 オペレッタの傑作「こうもり」(全2幕)
 3月21日(日)午後2時 フィル
 入場料3千円<音楽院にて前売り券発売中>
■第27回 春の音楽祭 (サザンクロス)
 4月29日(木・祭日)開催!
 一年に一度の発表会です。自分自身の成長を見る、1年に一度の記録を残しましょう。

 お申込みは、3月25日です。曲決めを!!

●ルベックスペシャルのお知らせ
2月の練習日。6・13・20 いよいよスタート。

サンシティー音楽院レッスンお休みのお知らせ 
■祭日お休み 2月11日(木)建国記念日
第5回 新春俳句大会 <結果の発表>
ご協力をいただいた皆様、有難うございました。お蔭様で内容の濃いメール句会が今年も開催できました。入賞の皆様、また入選の皆様、おめでとうございました。

【第一席】
泣き声とあやす声とに初電話 (たつ女)14点
 
特選 たしかに、にぎやかだけど、家族をしてるってかんじが、聞こえてきます。(葉ぼたん) 

特選「じぃじ」と「ばぁば」も忙しい。それ以上にお母さんは忙しい。電話したお母さんの声にかぶって、赤ちゃんの泣き声とそれをあやすお母さんの声、きっと「ばぁば」も電話に向かってあやしていたに違いない。混乱の中に目出度さが有り微笑ましい。(きかん坊) 

特選 初孫か?元気な赤ん坊の泣き声とそれをなだめるその母親の声も同時に入ってきて、若い父親が、その父母(赤ん坊からは祖父母に年賀のあいさつをしているほほえましい状況が目に浮かぶ。(万) 

並選 大切な大切な小さな命。子育てがんばって!とエールを送りたいです。(秋虹)

並選 離れている親へお正月の挨拶の電話を掛けているのだろう。年の初めの若夫婦の初々しさが溢れ出ている。あやす声はきっと自分の親への母親振りをアピールする事ににもなっていることだろう。賑やかなお正月もまた楽しい。(米)

並選 今年は里帰りできなかったが、孫の泣き声がうれしい。(百変捨逸句)

並選 かわいいお孫さんを囲んでのお正月。様子が浮かんできます。しあわせいっぱいですね。(ごん太)

並選 産まれて間のないお孫様の泣き声も元気に聞こえてきて今年も良い年になりそうな感じがします。(笑風)

【第二席】休日の娘すっぴんちゃんちゃんこ(しまじろう)9点

特選 胡座組みみかん食べ食べテレビ見て(百変捨逸句)

特選 お家はありのままの姿で居られる、一番心落ち着く場所ですよね。「ちゃんちゃんこ」の暖かさだけでなく、部屋や会話の温もりまで感じられる温かい句だと思いました。(みかん)    

準特 こういう景を俳句にした作者の着眼に感心しました。(球)

並選 休日の娘は朝からすっぴんで炬燵に入って蜜柑なんか食べちゃってリラックスしている。ちゃんちゃんこ姿の私の娘。可笑しくってそれが愛しい。(冬の薔薇)

【第三席】離れ住む 母一番に 初電話(冬の薔薇) 8点

特選 特別なお母様へ離れた子どもからの愛情を感じます。(笑風)

特選 優しさに溢れています。いつも気にしていますよと言いつつも少し日頃の無音を詫びたりもしている様ですね。(はこべら)

準特選 何よりの親孝行 (百変捨逸句)

【入選作品集】その1

冬晴れが歌吸い込んで雲一片(きかん坊)7点

特選 美しい情景に、私たち人間は、日々、森羅万象に見守られて生かされているのだと実感できました。 (秋虹)

特選 歌を吸い込むという表現がとっても素敵です。(ごん太)

並選 秋晴れには雲はないけど、冬晴れには一片の雲があってもいい。すがすがしい句だと思います。(扇山)

子も嫁ぎ 語る人なく 年賀読む(笑風)7点

準特選 年賀状を家族皆で目を通す事は新年の日の何処の家にもある光景ですが、高齢者社会を迎えている日本の将来の多くの家庭の縮図が此処にあると思います。黙々と年賀状に目を通す老人の寂しさが滲み出ています。(米)

準特選 娘を嫁がせてほっとした反面 どう暮らしているのかと 心配を含めた寂しさをも味わって一人暮らしの親が年賀状を見ている様子が偲ばれる。(万)

準特選 ちょっと 寂しいけど、年賀状とかたらっているのでしょうね。(葉ぼたん)

並選 どこかやれやれと思う気持ちもあって・・・今年も何時ものように語りかけてみたら、一人だったと気付いた時の淋しさも次第に馴れてきます。(はこべら)

五歳児の畏まりたる初電話 (たつ女) 7点

特選 お正月、お孫さんからの嬉しい初電話。礼節を大切にして清々しいご家族の様子が目に浮かびます。(冬の薔薇)

準特選 いつもはやんちゃな五歳児が祖父母に電話で年始のご挨拶。ちょっと緊張してママに教えてもらったとおりにしゃべっている微笑ましい姿が目に浮かびました。(しまじろう)

準特選 お年玉の威力かな?お祖父ちゃんが怖いのかな?いやいや矢張りお年玉に畏まっているに違いない。お祖父ちゃんの日頃の躾けが偲ばれる。勿論お父さんも立派に育てているのだ。いや、目出度い。(きかん坊)

初電話前立腺のはなしなど(百変捨逸句)6点

特選 日常がさりげなく初電話に登場して、普段の暮らしが見えてきます。(球) 

準特選 初電話でそんな会話の出来る友人・・・・いいですね。羨ましいです。(たつ女) 

並選 生きている実感と、払拭したい不安を先ず確かめている。(池)

初メール異国の日の出届きけり(ごん太)5点

特選 地球の裏側からでしょうか? 日本の日の出との時差はどれくらい? ビルの間から? 地平線から?楽しく想像いたしました。(たつ女)     

準特選 お子様からのメールでしょうか。画面にちゃんと初日の出!世界中の人たちが世界に一つのお日様を見ているって不思議に思われませんか。(冬の薔薇)

小春日や猫のあくびも歌となる(秋虹) 5点

準特選 今を生きていることを、猫と共有している充足感がある。(池)

準特選  かわいい猫が のんびりあくびしている様が浮かびます あくびが歌になるという表現が好きです。(ごん太)

並選 縁側か炬燵で丸くなってる猫の仕草が可愛いく描写されていると思いました。(笑風)

おでん鍋囲む介護の慰労会 (はこべら)4点

並選 思わずお疲れ様と言ってしまいました。 温かなおでん鍋の湯気や美味しさ、皆との語らいが疲れを癒してくれている様子が伺えました。 また明日からの介護の日々頑張ってください。(しまじろう)

並選 お互い一年間よく頑張ったね。大変だったけどとても充実していた。喜んでもらえた。ささやかな慰労会が素敵です。(冬の薔薇)

並選 介護というのは、介護なさる方も、介護してもらう方も、本当に大変なことでしょう。お互いの苦労を話し、分かち合う・・・そういう時間をおでん鍋が温かく包んでいるようでした。(みかん)

並選 慰労会の仲間がいればこそ、続けられることです。おでんのぬくもりがやさしいですね。(球)

寄り添いて少し晴れ着に初詣 (たつ女)4点

特選 穏やかな幸せの風景が目に浮かびます。”少し晴れ着が”が浮き浮きしているのでもなく平穏なごく日常的な様子をうまく纏めています。幸せな様子が目に浮かびます。(米)

並選 兎に角羨ましい、晴れ着でなくても輝いています。可成り年配の方の句かと拝察します、若い者にないこなれた雰囲気。(きかん坊) 

平凡な日々のしあわせ冬日向 (みかん)4点

準特選 毎日が平凡で何の刺激もなく、もういやだと思っていたのは若い頃、今は平凡がなにより幸せと思う。・・・同感です。(はこべら)

並選 冬のやさしい光が降り注ぐ家の窓辺で安らいでいるのだろう。外ではストレスを抱えていても家庭に帰るとこの様に安らげる、そんな理想の家庭をこの人は持っているのだと思う。(米)

並選 平凡である 穏やかな毎日はホントにしあわせですね。(ごん太)

冬うらら歌で始まる読み聞かせ(しまじろう)4点

準特選 どこかの園でしょうか、それともお家でしょうか、なんとも懐かしく温かい雰囲気がいっぱいです。歌で始まる・・・というところに、その歌声やメロディーを想像させられ、魅力を感じました。(みかん)

並選 子供も孫も大きくなり、読み聞かせの相手もいなくなり、「私にもこんな時があったなあ」 と自身の姿と重ね合わせてなつかしいい気持ちになりました。(たつ女) 

並選 お孫さんにでしょうか。歌から入るほうが、覚えも早いですよね。やはり音楽の力です。(はこべら) 

七色の メダカ散りぢり 冬花火 (球)3点 

特選 冬空を縦横に泳ぐ花火を、生きているメダカに見立て秀句。(池)

元日の月煌々と海に満つ(冬の薔薇)3点

特選 初日の出ではなく元日の月を詠んで月光の神々しさにいっそうの新年の厳かさを感じました。(しまじろう)

柏手を今朝も聞いてる鏡餅 (きかん坊)3点

並選 深甚ふかさをかんじますが、これってお正月のみかなあ。(葉ぼたん)

並選 お願いもたくさん聞いた鏡餅 (百変捨逸句)

並選 今年も、どうか健康で穏やかな日々が過ごせますように。(秋虹)

天国につながりそうな初電話(みかん) 3点

特選 いちばん電話をしたい人は天国にいる。初電話だから何となくつながりそうな気もする。話したいこともたくさんある。涙の出るようないい句だと思います。 (扇山) 

腰痛の 母の歩みへ 初電話 (球) 3点

準特選 寒い時期、お母さんが立ち上がり、受話器を取るのは大変なことは分かっているけれど、それでも新年最初に電話をかけてあげたいと思う優しい気持ちに感激しました。(秋虹)

並選 電話のベルが鳴って やっとこらさと時間を掛けて立ち上がる老母へのいたわりの気持ちがわいている孝行息子か娘の気心がでている。(万)◎入選句集は次号に続きます。

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